拍手御礼SS
24日の昴流
僕はケータリングのオードブルを並べただけだけど、
星史郎さんがターキーを焼いてくれた。
だから今夜のクリスマステーブルは、本格的な雰囲気。
向い合ってシャンパンを開ける。
淡い色の液体の中を、気泡がゆらゆらと昇っていく。
クリスマスは丸ごと全部、儚い夢みたいだと思う。
26日の星史郎
ツリーからオーナメントを外していく。
透明アクリルで作られた雪の結晶。
銀色に輝く星や天使達。
ブルーのリボンを取り、ツリーを台座から抜く。
そして全てを箱に収めてクロゼットの奥に仕舞う。
最後に掃除機をかけると、
リビングが少しだけ広くなったような気がした。
もうすぐ昴流君が帰って来る。
彼はきっと寂しそうな顔をするだろう。
でも大丈夫。
僕がキスをあげるから。
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