ミッションから戻った日は、いつも泥のような眠りに落ちた。
そこに夢はなく、時は流れず。
この世界に生まれ出る前にも似て―― 即ちそれは死に酷似している。
「……ルヤ。 アレルヤ」
ティエリアの声が耳をくすぐる。 なのに身体は水を含んだように重い。
「な、に?」
「君が欲しい」
まだ醒め切らない身体に愛撫を受けて、僕は漸く目を開けた。
「やめ……」
「やめられない」
早くも覆い被さって来たティエリアに、唇を奪われる。
惜しげもなく素肌を晒し、自ら脚さえ開いてみせる僕の天使。
「アレルヤ、君の熱で俺を満たせ」
重力に曳かれるかのように堕ちる快楽。
アレルヤ アレルヤ アレルヤ
主を称えよと繰り返される、それは僕の名前。
2008.02.21