拍手御礼SS
星史郎さんは、何にも執着しない人だ
一緒に生活してみてよく判った
それなのに美味しいものが好きで
美しいものも大好きで…
好きなものは必ず手に入れる
そして言うのだ
「昴流君だけあればいい」
昴流君の全てを―
―もっと
僕は混乱してしまう
星史郎さんは
僕の何が欲しいのだろう?
「もう、僕には何もありませんよ」
僕は、貪欲な星史郎さんが好きだ
昴流君は、いつも何かに囚われている
それは、嘗ては仕事であったり
また、血縁者や、皇の家そのものであった
いま彼は僕と一緒にあって
それらから開放されたかに見える
だけどそうではなかった
いまもなお、彼は自分自身から
逃れられずに苦しんでいる
僕にはそれが解らない
僕以外のものまで映してしまうのなら
その綺麗な目を潰してしまおうか?
余計な声や雑音も
その耳に届かないようにしてしまおうか?
そうして全てを奪い
もう僕等が離れずに済むように
永遠に繋いでおきたいと思うのだ
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